京石工芸品
平安京遷都の時、大内裏の造営によって石の工作が大きく求められた。このことは軟石を主としたこの時代に、磁石などの一部に花崗岩が使用され、工作されたあとがその遺構に見られることからも明らかである。
その後、仏教興隆に伴って、古代から宗教的なイメージをもつ石という素材が重用されたこと、工具の進歩、ことに工具の制作や手入れなどの鍛造技術を習得したことによって石工技術が発達し、石仏、石塔、石燈籠など、京石工の手による優れた石工芸品が制作された。
鎌倉時代、政治の中心は鎌倉に移ったが、文化の中心はやはり京都にあった。石工芸においても他地方の数多い当時の石造遺品に比べ、京都に残る石工芸品がはるかに優れており、京都の高い文化と京石工の卓抜した技術、技法、「美」に対する鋭い感覚を知ることができる。
次いで、京都石工技術の向上に大きな影響を与えたものに茶道文化がある。茶人は古くから遺る石工芸品に「わび」「静寂」をくみとり、優れた遺品を珍重したが、遺品は数が限られているため、本歌を写した模作をもって茶庭に設置した。特に石燈籠、水鉢、層塔などは茶道との深いつながりの中で、厳しい「美」への要求に応えるとともに技法の特殊な発見を見たのである。
そして近世、益々増大する寺社の造営と庶民文化の台頭によって需要が増加し、京石工が確固たる地位を築いていったことが在銘遺品の数々によって偲ばれる。
石燈篭(笠)製作工程
蓮弁彫り
火袋抜き
柱帯彫り
京都府石材業協同組合
所在地 | 〒602-8035 京都市上京区東堀川通丸太町上る6丁目210番地 |
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TEL | 075-256-2955 |
FAX | 075-256-9698 |
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URL | http://kyoishikumiai.jp/ |
理事長 | 田伏 裕一 |
設立 | 昭和46年11月30日 |
役員構成 | 理事11名 監事2名 |
会員数 | 69名 |
事業内容 | 1.組合員の取り扱う石材製品の共同宣伝 2.組合員の取り扱う石材等の共同購入、共同受注 |
概況 | 京都千年の歴史と茶道文化で洗練され、確立された京石工芸品の技術は全国の手本となっている。昭和57年に当時の通産大臣より伝統的工芸品の指定を受け、その技術技法は確実に継承されている。 |