京漆器

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もともと中国で始まったと伝えられる漆器は、日本でも縄文時代にはすでに広まり、その種類も生活用具だけでなく、仏具、武器、文房具など多岐に及んでいた。

漆地に金粉を散りばめたように見える末金鏤(蒔絵)が生まれたのは、奈良時代のことで、この技法は平安時代へと受け継がれ、発展して、やがて研出蒔絵や平蒔絵が完成されたのである。

さらに、鎌倉時代から室町時代になると、高蒔絵、肉合蒔絵が行われるが、この頃には寺院や貴族などが、特定の蒔絵師をかかえるようになる。この時代に作られた「東山時代物」と呼ばれる数々の作品は、当時の京漆器の精彩ぶりを端的に示しているが、それは「わび」「さび」の境地に撤したまことに味わい深いもので、まさに日本の漆工を代表するものといえる。

安土桃山時代の京漆器は、新しく台頭してきた武士階級の趣味や好みを色濃く反映したものとなり、その様子は大変華麗なものであった。しかし、江戸時代に入ると、こうした豪華さ華麗さの中にも繊細で緻密な趣を持つものが目立つようになる。嵯峨蒔絵や光悦などの作品からもそれがうかがい知れる。



以上のように、室町時代以降、京都は全国漆器産業の中心となり栄えるが、その原動力となったのは、数多くの名工の存在であり、さらには彼らの手と技による品質とデザインの優秀性であることはいうまでもない。

京漆器は他産地製品には見られない「わび」「さび」といった内面的な深い味わいを備えており、大変優雅でもあるので、特に高級品においては他の追随を許さないものとして現在に至っている。もちろん、京漆器は、茶道具をはじめ、ごく一般的な食器類、家具、さらには調度品にもおよび、今も全国漆器業界の注目を集めている。

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製作工程

板物木地作り(かんな目)

布摺塗り(朱塗)

平蒔絵(手打)

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関連団体

京都漆器工芸協同組合

所在地 〒606-8343
京都市左京区岡崎成勝寺町9番地の1 京都市勧業館内KYOオフィス
TEL 075-761-3460
FAX 075-761-3466
理事長 兼松 俊明
設立 昭和15年5月25日
役員構成 理事14名 監事2名
会員数 58名
事業内容 1.展示販売事業
2.振興事業
3.福利厚生事業
4.表彰認定事業
5.後継者育成事業
概況 年一回組合員青年会員の作品を展示販売同時に作品審査知事市長等の各賞を選定表彰する。各種団体主催の展示会に積極的に参加。京漆器の普及に努める。又組合員相互の情報交換親睦を図るため旅行新年会の実施。
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