神仏具金物

  1. TOPページ
  2.  > 京都の伝統工芸一覧
  3.  > 神仏具金物

古都・京都は、古来文化の中心都市であるとともに仏教や神道をはじめとする様々な宗教活動においても、常にその中心地であった。宗教活動は、それぞれの教義に基づく多くの行事に支えられ、同時にそれを演出する各種の宗教用具を必要としてきたことから、京都においてその生産を担う神仏具金物の産地がおのずと形成された。

京都における宗教用具の生産の起源は古く、神仏具金物においては室町時代の末期にまで遡る。『金工史談』(香取秀真著)によると、今に伝わる銅鐘のいくつかに「三条」「釜座」という銘文を有するものがあり、これが現在、資料によって知ることができる最も古い京都在住の鑄師の作品ということになる。

「釜座」とは現在の京都市の中心部で、鑄師が集団で工房をかまえていた。当時においては、鑄師は厨房用の日常品を本業とし、茶の湯の隆盛につれて茶の湯釜を製造したり、注文に応じて、燈籠や銅鐘を造っていた。彼らの中から、次第に仏具を手がける者が出てくるわけであるが、上述の様に、仏具の需要を生み出す背景があった。江戸時代には、かなりの仏具師の存在が文書よりうかがわれる。ただし、彼らの多くは、前記の「釜座」ではなく、当時の市街地の周辺部に工房をもっていたようである。

以来、今日に到るまで、各種の宗教教義や儀礼に基づいた様々な道具類を製作し続けている。その間、各時代の要求を取り入れて、各々の時代にかなう変化を重ねながら、しかも一貫して伝統を遵守する生産機能と体制を堅持してきた。



それゆえ京都の神仏具金物は、大量生産には到底なじまず、現在も大部分を手作業により製作しており、その優れた技術や品質は高く評価されている。 そして、宗教用具としての品位と本質をわきまえた上で、生産工程の専門化・細分化を進めるとともに、品質面での改善・改良にも前向きに取り組んでいる。


  • ページの先頭へ戻る

製作工程

鑄型造り
原型を土、粘度等で囲い、抜き取る作業。

原材料注入
1050〜1150℃に溶解した金属を、一定の温度に保った鑄型に注入する作業。

ロクロ加工
卓上の旋盤と同じで、自由に手加減して加工する作業。

仕上加工
ヤスリ仕上げをした上で、さらにキサゲ(金属用の小刃)で、きめ細かい加工を施す。

彫刻
鏨(たがね)で断層を造ったり、スジ彫りを施す。上から押え込む場合もある。

色付着色
表面から地金の色を出し、漆を主体に色を交え、一定の温度を加えながら塗装する。

  • ページの先頭へ戻る

関連団体

京都神仏具金物工業協同組合

所在地 〒601-8206
京都市南区久世大藪町232番地の12
TEL 075-922-2692
FAX 075-922-2692
理事長 髙木 正司
設立 昭和33年5月26日
役員構成 理事5名 監事2名
会員数 18名
事業内容 1.組合員の事業に関する協定
2.金融事業
3.団体協約の締結
4.情報の提供
5.福利厚生事業
概況 創設以来、組合員の相互扶助の精神に基づき、必要な共同事業を行い、自主的な経済事業を促進し、伝統の技術を以って新製品の開発、後継者の育成等を図り業界発展に努めている。

協同組合 京都金工センター

所在地 〒601-8206
京都市南区久世大薮町232番地の1
TEL 075-922-2694
FAX 075-922-2696
理事長 山本 富士夫
設立 昭和20年12月17日
役員構成 理事1名 監事2名
会員数 10名
事業内容 1.神仏具金物の共同生産、販売事業
2.金融転貸事業
3.教育情報事業
4.福利厚生事業
5.副資材の購入事業
概況 本組合は共同作業場の運営を基盤に伝統産業である神仏具金物の製造及び販売にかかわる事業をおこなっています。又後継者育成にも各組合員企業とともに努力しています。
  • ページの先頭へ戻る